『 むまさふ 』 -
18禁 -
黒澤和光 × 花木九里虎 (リバ:セックススケッチ)
20120130
花木も黒澤も半ばはだかでベッドの上、にじり這ってゆくような時間の渦中。
花木にとって、それは押し倒されてみてはじめて知る感覚だった。
ベッドにからだをひらいて仰向けに、自分の腿に跨る黒澤の上気した半裸、見上げる距離感、その重み。ふたりの顔と顔とはちょうど伸ばした腕1本分。殴り倒し、押し飛ばすはずの存在だろう、自分を組み敷くのがまして男なのだから---とは一概に思えない、知らないはずの感情の火種が俄か花木のからだにひろがる。
黒澤の視線は確かに花木を見下ろしていた。黒い髪が垂れて顔の輪郭をおおいかくし、表情はわからない。 少なくとも記憶どおりの黒澤だと花木の目には映っていない。 ちりちりと不安に似たものを花木は胸のどこかで感じていた。
このありさまを一度でも想像することは、花木にはなかった。自分が望むままいつでも黒澤に入れて、揺すって中に出す。はじめからそうだったし、今まで具合よく続いてきてた、筈だ。--- ふいの気紛れと思える黒澤の“そんな気分じゃねえ”のひと言が何度か立続き、何度か目のついさき程“いったい何のつもりね?”たまらず訊き返した花木はいきなりベッドに倒された。
「やっぱおかしかろう」花木はどうやっても感じる違和感を口にする。それを感じさせる充分な間が黒澤にはあった。
「オレが下でおまえが上なら問題ねえと思ってんだろ」 黒澤は組み敷く花木をたのしんでいた。
「そらそーたい」
「それに大した差はねえ」掴んだ花木の顎を正面に「どっちがどっちだろーが、ナニをどーしようが、野郎同士のセックスはホモだろう。今までさんざん貪ってきて今更細けえこと、ぶつくさ言ってんじゃねえ」左右に荒く揺さぶった。「ほら、キスすんだよ」
「 そげなこつ、今、口にすな」
はっ、黒澤は笑う。「じゃあ、いつ言やいい? オレ等の間に何の照れか、え、九里虎? おまえは今まで自分が何をほざいてきたのかさっぱり憶えてねえみてーだな。 “好いとーよ”“今すぐしたか”“チューばせんね”“フェラばせんね”オレには馴染みのあるセリフなんだがよ、」顎を押さえつけたまま露骨に唇を重ねた。 「これを機に教えといてやろうか、おまえがいつもやってるホモセックスを。おまえ自身のからだにじっくりと」唇がはなれ、唾液の糸をひく。「まあ、入れて吐き出すだけが目的のおまえのやり方じゃ、つまらねえかな」そう言う口の端が楽しそうに笑い、また重ねた舌の奥でまじりあう。 「おまえにヤられる男より、オレにヤれる男の方がいい思いできるのはまず間違いねえだろうしな」
「ヤられ癖んクロサーに何ばできっと、」ハンッ、と鼻で哂った。
丸まるクセ毛に指を通し押し上げ、あらわれた額やこめかみを撫で「テメーがまずやらねーことがオレにはできるかな、」耳朶を捻り上げ不遜に嘲う。
これほど立続けに不快を喋る黒澤を花木は知らない。
「それにしてもおまえ、おとなしいな。これからヤられるってヤツが抵抗もしねえ。もっとぎゃーぎゃーウゼエんじゃねえかって思ってたんだが。 満更でもねえんじゃねーか、掘られんのも」黒澤は花木のジーンズのボタンに指をかけ、外して中の縮れ毛越しの肉の筋をくすぐった。「もう、ちいとデケーみてえだし」
「こーなりゃ、もぉまな板の上の鯉ばい。こげなこつ、どげんでもなかろー」花木は横向いて口を尖んがらせる。
「そーだ、大したことじゃねえ。尻にチンポぶち込まれて、中出しされることなんか。まったく大したことじゃねえ。よく分かってんじゃねえか」 ジーンズの奥にぐっと両腕を挿し込み弾力ある尻の肉を鷲掴むように揉みしだく。チッ「いちいちデケー尻」 張りのある胸板の乳首もついでにきつく吸い上げた。
剥き出しに突き上げた尻を揉まれながら、後ろから肉を執拗に舐められ、噛み付かれ、花木はそそり立てている。続け様に小刻みに扱かれながら、玉の裏筋を濡れてやわらかい唇が撫で回し、体液が垂れ下がってゆく。
黒澤が言ったように、確かに花木のやらないことを黒澤自身はやっている。 花木のやり方は男の尻や性器を執拗になぶる執着はなかった。 入れれるのならすぐさま入れて腰を振った。
「潔よぉ、しちこか…」
黒澤はたっぷりと花木をあじわう。中心をあえて避けたそのまわりばかりを攻めて花木をじらし堪能する。 きゅっ、きゅっとそこは反射的にわななき、黒澤は密やかに悦に入る。玉を含んでうまそうに舌で撫でまわす。 花木の快楽が穴の先から滲み出す。
「ああ、もおクロシャー、先にイきたか、」女と話すときのようにあまえる花木に黒澤はこたえない。
「先にいっぺん、」
「るせえ」
「入れたか、」
「ほざくな」 花木を横倒しに、自分のバンダナをほどく。それを口枷にするのではなく、視界を暗く閉ざした。 花木は黒澤の施す音と、その感覚ばかりにおおいつくされた。
尖らせた舌が直接つついてくる。ぬっぬっと押し拡げようと挿し込まれる準備がされている。左右の深い肉を分け、中心が空気に触れようとしている。襞をぬめる舌がくすぐり続け、花木の全身の神経はその一点に高まってゆく。
「停め、」からだがびくんと捻る。引き締まる肉を掴んで尻を張る音が高鳴った。くっと花木がはね「キシャンにやがんな、」声とは裏腹に、奥の赤い肉が濡れてテカった。
「じゃあ、イかせてやろうか」 中指1本でずぬっと深く貫く。中の指は角度をつけて肉壁を擦り上げた。結果、花木はだらしなく尿道から垂れ流す。
「イっちまったな、」人悪そうに黒澤が耳元で低くささやいた。
「こん歯痒か〜!」花木はバンダナをむしり取って、黒澤に投げつけた。「なしこげんっ!」
「そう焦んな、まだこれからだろ」手の平に握る花木の精液を開いて見せた。溢れて指の股にまだ温かく、流れ落ちようとしていた。黒澤はそれで完勃ちの自分のものをじっくり撫で回した。「こんなインケツまがいで終らせやしねーよ。せっかくぬるぬるにしといて、まさかこれで終いはねーだろ。オレもまだだしな」俯き加減にふっと唇をあげた。
「ニヤニヤすな!クロサー腹かく〜」
「鯉だったか、鮪だったか、龍じゃねえよな、え?おまえ。
魚がペラペラ喋ってんじゃねえ」テラテラ精液光りする手の平で花木の口を無造作に押さえつけた。
ゲッ、ペッペッと花木はツバキを吐き捨て、腕で拭った。
「ほら、九里虎、尻出せよ。後ろ向いて、四つ這いになれ」自分の足元を指し、体位を変えろとくるくる指を回して見せた。「おまえが不満そうだから、きちっとイかしてやるつってんだろ。それともフェラでもしたくなったか?おまえのザーメンまみれのチンポなら丁度ここで勃起してんだがよ」ヌヌヌと扱きあげる。「こいつ、尻でもフェラでも早くおまえン中に入りてえとさ。 なあ、どうせなら尻にしてくれよ。せっかく具合よくしてやったことだし、」 花木に顔を寄せ、カツンと歯を鳴らして噛み付く真似をする。「なあ?」口の端に口づけ、そのままキスを押し付けた。 「入れていいのか返事くらい聞かせろよ九里虎」黒澤は“そんなもん訊くまでもなくハメるがな”という顔を隠さずにいた。
「テレテレすな」下から両脚で黒澤のからだを蟹挟む。
「ほら、言えよ九里虎」
花木は無言で挟んだ腰を自分へと引き下す。
ぴったりくっついた花木の穴と自分の先っぽを黒澤はくるくるまわし、それより中には進まない。
「もお!人がそん気ぃになっとーとやろ!よか言ーたらよか!さっさとしぃ!」
「よぉ九里虎サンよー」黒澤はゲンナリとした声で不服をたれる。「気も削げんだろ、その言い草は。 もしおまえが女にそう言われてみ?チンポも萎えるってヤツだろ。 せめて男ならこういう時、なんて言われてえもんかを考えて喋んな。 オレも入れてーの堪えて待っててやってんだからよ。オラ、待ちわびて先走り垂れちまうじゃねーか」竿を掴んでくいくいと突きつけると透明な糸が伸びて光った。
「ゲサク!いらんこつぬかすな」
「言えよ」
「 」
「ほら」
「 …せからしかっ!」
「そーじゃねえだろ“入れて欲しい”だろ」
「 ぬ゛ぅ、」
「女どもみてえに言ってみろ。よく言わせてるセリフなんだろ。その鸚鵡返し、それさえ口に出来ねえか、え、九里虎サンよ」
「 」そう言われて花木は余計に口を結んだままでいる。
「もーいーわ」ズッっと穴の弛んだ頃合に、いきなり根元まで竿を通した。「オレも気が長え方じゃねえ、メンドクセエ」
瞬時に花木の全身が強張って、仰け反った。ッツァァァッ
「絞めんな弛めろ、」 ぐいと奥を掻き回す。「リキむな」
ひっひっとひくつく花木の背筋の硬さがじょじょにうすれて丸くなってゆき、シーツを鷲掴んでいた指がほどけだした。
「よお、尻に突っ込まれた気分はどーだ」 おもむろに掴んだの花木の足首を左右いっぱいにひろげると、からだの中心が露になった。 黒澤は結合するあたりに潤む視線をそそぎ、滞っていた熱い息をゆっくりとはき出した。
「 ベツに、こげなこつ、大したこつやなか」
「そりゃ、大したことねーだろーよ。おまえほどハデじゃねーもんな。 オレは、チンポの味はどんなもんだって訊いてんだよ」すばやく抜き差しをして、根元でぐいぐいと抉りその程を知らしめた。
ハッ、「悪うなか」奥歯を噛んで口を吊り上げる。
「ケツマンコにぶちこまれんのも、なかなかオツだろ。」大股開きの花木をテンポよく突き上げる。そのたび、臍の上まで大きく勃起した赤黒い精器がぶるんぶるんと揺れた。 「すげえ… 」黒澤の喉仏が上下する。「自分でソレ、扱いてもいいんだぜ。 やれよ、頭がとけるみてえに クセんなっから、」花木の手首を掴んで握らせる。その手の上から黒澤が扱きをかける。黒澤は花木を突き上げながら、握る手からはみ出した花木の亀頭を腐乱に擦り続けた。
花木は腰高に、黒澤に吸い付いて動きだした。肉厚の尻がぶつかる音が激しくなり、花木が奥歯をくいしばる。突き上げた肉たぶがぎゅっと締まり、びゅるっと精液が飛び散った。
花木の腰が黒澤に落ちる。
大きなままの自分のものを握りしめ、わずかに痙攣を繰り返す花木のリズムに合わせ、黒澤は突き上げるのをまだやめない。 ぐったり力の抜け、弛んだ花木を執拗に突き上げ続ける。胸のキワや腹の窪みに溜まった濁った精液が、そのたびに垂れ流れる。
「おい、これ勃起しっぱなしでまだ続けてイけんじゃねえか」黒澤が指で竿を弾く。
花木の腰がヒクと持ち上がる。精器がぶるんと波打つ。それを掴まえて黒澤が扱きあげる。花木はされるがままにからだを投げ出している。伸びたからだに反して竿は充血し、いよいよ硬さを増す。黒澤の腰もぬれた音を絡ませ益々早まった。
花木の片足を高く担ぎ上げ、肉のより深くを突き上げ射精した。
喉元までを精液まみれに花木も果てた。
黒澤は中から抜き出そうともせず、花木のものは脈打ち縮こまる気配もない。 黒澤はそれを太く握り、空に絶えるまで扱いた。
最後にふたりは体液まみれでベッドにとけ崩れた。
からだを流しながらキスを繰り返す。ふたりの皮膚の隙間をぬうようシャワーが流れ落ちてゆく。それを追いながら黒澤の指が花木のからだを撫で下ろす。
黒澤がしゃがみこむと、花木はシャワーを後ろ手にとめた。 膝立ちで精器を口にふくむ。
「さすがにもっ回はムリかろお」
「それでもかまやしねえ、」
黒澤の髪を持ち上げ顔を露にする。念入りに舐め上げるそのさまを花木はじっと見下ろした。 黒澤はそのままの黒澤に見えた。
押し倒されたことがふいに頭をよぎる。その時どこかで感じていたチリチリとした妙な感覚、今あれが熱をはらんでからだの中に芯として残っているよう花木には思えた。
:: 1週間、書くのをてこずった。
後になって「クロサー、しちこかー」なんて花たちにぺらぺら喋る九里虎。 ::